不動産の買取りについて
不動産を売却するときの選択肢として、「買取り」という方法があります。
不動産の買取りとは
「不動産の買取り」とは、不動産会社が査定し直接買い取る方法です。不動産会社は買い取った不動産をリフォームして、その後一般に販売します。
不動産の「買取り」は「仲介」と違い、不動産会社が買い取るため、現金化までの時間が短いので、すぐに現金化したい場合に有効です。また、契約不適合責任(瑕疵担保責任)等も免除されるため、売却後に欠陥や不具合があっても修理代金を請求されることはありません。
その反面、一般的な販売価格よりも安い価格での取引となるので、注意が必要です。
不動産の買取りのメリットとデメリットをまとめてみました。
不動産買取りのメリット
メリット1 短時間で手放すことができ、すぐに現金化できる
買取額の交渉が終わり次第、不動産会社がすぐに買い取ってくれるので、早ければ、1週間以内に契約からお引き渡しまでを完結できます。
メリット2 契約不適合責任(瑕疵担保責任)等も免責
契約不適合責任(瑕疵担保責任)等が免責になるので、雨漏りやシロアリ被害などがお引き渡し後に見つかり、修理代金を請求される心配もありません。
メリット3 内密に物件を売却できます。
販売活動を行わないため、ご近所に知らせずに売却が可能です。
メリット4 金融機関による差し押さえ、相続等の問題にも対応できる
差し押さえ等で競売になってしまった場合にもご相談ください。その際の引っ越し費用等も交渉可能です。また、相続が発生した場合の遺産分割協議書の手配等もお任せください。
メリット5 現状での販売が可能
賃貸中のまま売却が可能です。また、要らない荷物等も残置物として残して行く事も可能です。その場合、処分費用等のお見積りが必要になります。
メリット6 弊社で買い取る場合には仲介手数料が不要です。
弊社が買主になり直接買い取る場合には、仲介手数料は掛かりません。また、弊社で買い取れない場合にも、高く買い取ってくれる不動産会社をご紹介いたします。
メリット7 売却後に引き渡しを数日遅らせる事も可能
売買代金を新しい引越し先の購入・賃貸借の資金に充当する場合、売買代金を受け取ってからでないと、引越し先の購入や賃貸借の契約ができないケースもあります。その場合、交渉によりおおよそ3日から7日の期間、売買代金の受領後、引き渡しを猶予(不動産用語で引き渡し遅延と呼びます)することも可能です。
不動産買取りのデメリット
デメリット1 一般的な相場よりも買取金額が安い
やはり、仲介で売却するときの一般的な売買価格よりも買取金額は安くなります。
不動産会社は基本的に販売を目的に買い取るケースがほとんどで、買取金額はリフォーム後の販売価格からリフォーム代金や取得に要する諸費用と不動産会社の利益を差し引いて算出するため、一般的な売買価格よりも安くなってしまいます。
不動産買取りの流れ
Step1 査定依頼・お問い合わせ
先ずは査定の依頼です。査定を依頼する際、お手元に下記の書類が有るか確認し、有れば用意しておく事をお勧めします。
- 土地・建物の登記済権利証または登記識別情報
- 土地・建物の全部事項証明書(登記簿謄本)
- 公図
- 地積測量図
- 建築確認済証
- 購入当時のパンフレットや間取り図等
- 購入当時の売買契約書
- 納税通知書または固定資産税等を確認できるもの
- 住宅ローンがある場合は返済予定表
上記書類の2~7は、購入時の売買契約書・重要事項説明書と一緒にファイル等にまとまっている事が多いので、確認してみてください。
Step2 価格査定・調査
価格査定には、電話による簡単な机上査定と実際に部屋を見せてもらう訪問査定があります。机上査定の場合は建物内部の傷み具合等を確認できないため、後日訪問査定をした場合に査定価格が大きく変わる事があます。正確な査定価格を算定するためにも訪問査定をお勧め致します。
Step3 買取り価格の提示
価格査定をもとに買取価格を提示いたします。万一、弊社で買取りができない場合でも、弊社と取引のある別の不動産会社をご紹介することが可能です。
Step4 契約条件等の打ち合わせ
買取り価格に納得し、売却を進めるにあたって、契約やお引き渡しの条件を打ち合わせします。契約日やお引越し、売買代金受領やお引き渡し日等のスケジュールを調整します。
住宅ローンがある場合には、抵当権の抹消書類の準備を金融機関に依頼する必要があります。金融機関によっては抹消書類の準備に2~3週間ほど掛かる事があるため注意が必要です。
また、家具や家電等を残置物として残して行く場合には、処分費用が掛かりますので、売買代金から差し引かれます。残代金を受け取った後でなければ引越しができない等の事情で残代金の精算後お引き渡しまで数日間猶予する場合(引き渡し遅延)も事前に打ち合わせが必要です。
Step5 売買契約
買取り価格や契約条件等の調整が整い、お互いに納得したうえで売買契約を締結します。売買契約を締結する際は売買契約書の契約内容や売買契約条項を読み合せし、署名押印します。そして、手付金として売買代金の5~10%の金額を受領します。
Step6 残金決済・お引き渡し
お引き渡しの準備が整い次第、銀行等で残代金や固定資産税等の精算を行い、鍵を引き渡します。その後、司法書士が登記手続きを行います。
不動産の買取りに要する期間
お問い合わせをいただいてから残金決済・お引き渡しまでに要する期間はケースバイケースです。以前にお問い合わせをいただいて、その日のうちに査定をし、次の日に契約、3日後に残金決済・お引き渡しという事例もありました。現況空き家で、住宅ローンがない場合ですと1週間以内で出来ることもありますが、現在居住中で、住宅ローンがあり、お引越し先をこれから探すという場合ですと、最短でも1か月位の期間を見ておいた方が良いと思います。
まとめ
上記以外にも、仲介で居住したまま販売をする場合には、土日にお客様のご案内に対応していただく必要もあり、そうした煩わしさも考慮する必要があります。仲介にするか、買取にするかは、物件の状況や経済的な理由によって変わってくると思います。
以下に買取りに向いているケースと仲介に向いているケースをまとめてみましたので、参考にして頂ければと思います。
買取りに向いているケース
- すぐに現金化したい。
- ご近所に知られたくない。
- 手間をかけずに売却したい。
- 建物の築年数が古い。
仲介に向いているケース
- ゆっくり売却したい。
- ローンの残高等の問題で価格を下げられない。
- 立地条件が良い。
- 建物の築年数が新しい。